先週日曜日の中山競馬11レース・12月27日(日)中山11R GⅠ有馬記念(芝2500m)に出走したクレッシェンドラヴは8着でした。
(広尾サラブレッド倶楽部様より許可をいただき、公式サイトの情報を転載しております)
クレッシェンドラヴ
20.12.27
互角のスタートから、道中は好位集団の中。ラスト3~4角でやや遅れを取ったものの、直線で外に持ち出されるともうひと頑張りを見せ、結果8着での入線となっています。
「やりたい競馬は出来ました。直線に向いてオーソリティが早めに下がってきたことで外に出すロスはありましたが、そこから脚を使ってくれましたからね。まだ楽しみがある馬だと思います。小回りのこういう競馬であれば、2500mの距離も持ちそうです」(坂井騎手)
「内々でタイトな競馬を強いられるなか、鞍上がうまく乗ってくれましたし、馬もよく頑張って走ってくれたと思います。内枠を利してこういう競馬ができれば2500mでも対応できそうですよね。東京の2400mよりは中山の2500mのほうが向きそうな感じ。ただ、ここでいきなりG1だったとしたら、果たしてどうだったのか。ジャパンCを使った経験も活きたのではないでしょうか。上位組ともそこまでの大きなタイム差はなかったですし、この出走もまた良い経験になったはず。今日のようなレースができれば、来年もまた楽しみです」(林調教師)
◆G1レースゆえに勝負所でややモタつく場面もありましたが、初騎乗にもかかわらず鞍上がうまく立ち回ってくれましたし、最後の直線ではもうひとつギアを上げての素晴らしい走り。来年に向けて、さらに展望が広がる良い経験を積むことができました。なお、このあとは、「このまま年内は厩舎で様子見を行い、年が明けてから一旦放牧に出す予定」(師)になっています。(HTC)
…ということで、一年越しの悲願だったグランプリ出走を叶えたクレッシェンドラヴのGⅠ有馬記念へのチャレンジは、16頭中の8着(16番人気)という結果になりました。
瞬発力で勝負するタイプではないだけに脚の使い出しが遅れたこと、特に勝負所で前にいた馬が早々に後退して進路を塞がれるロスがあって切り返しに手間取るシーンがあったことは痛恨でしたが、そんな中でも勝ち馬と0秒8差・4着ラッキーライラックとは0秒3差と、日本競馬の一線級の馬たちを相手に僅差の競馬が出来たのは収穫と言って良いでしょう。
これで勝負所の進路取りがスムーズであればそれこそ4着争いを繰り広げていた集団の中には確実に入っていたはずとは思いますが、ひとまずゴール前での3頭横並びの8着の争いは制してくれたことですし、前走で2秒3あった勝ち馬との時計差を0秒8まで一気に短縮したのは誇れる結果であるのも確か。
元より今回は東京から中山への舞台変わり、条件好転での巻き返しを期すると共に今後の進路や方向性を占う意味でも重要な一戦でしたから、これであれば7歳シーズンとなる21年の更なる飛躍が期待できる競馬、「さらに展望が広がる」レースになってくれたと言って良いのではないでしょうか。
他方、ちょうど先週カイザーノヴァの話で触れた「8着の出走奨励金は9着の2倍」という話の焼き増しにはなりますが、1着賞金が3億円あるレースともなると「1着賞金の6%」の奨励金でも1800万円になる訳で、本賞の加算こそ叶わないものの当初両睨みとしていた来週のGⅢ中山金杯の2着賞金を上回る額が入ってきた事になりますから、実入りとしても上々。
とはいえもちろん負けは負け、GⅠジャパンカップに続き二走続けてGⅠの厚い壁に跳ね返されてしまった訳ですが、我らがクレッシェンドラヴもこうして経験を積んでいくうちに一枚二枚と殻を破ってくれると思いますから、来たる21年も重賞タイトルの更なる加算、そしてビッグタイトルの奪取に向け、大舞台への挑戦を続けていってほしいと思っています。